金曜日, 11月 28, 2008

インソール工房

13のサルシューは、プラスアブソラドIN。これはアッパーが頑丈で気に入っているのだが、ソールとの継ぎ目ががやや弱いようだ。すり足ディフェンスをしているせいかもしれないが、こんな感じで壊れていく。



で、新調することにしたのだが、気になるのはフィッティング。最近のアディダスの靴は、モデルが変わるとラストも微妙に変わるようで、困っている(たとえば今使っているトレシューのプレデターアブソリオンパワースワーブTRX TFは、前足部がやや広い。着用初日は全然蹴れなかった)。以前、アディダスでは足型を機械計測し、自分専用のカスタムシューズを注文可能だったのだが、これはかなり高かったし、今はもう受け付けていないようだ。それなら、せめてインソールを成型してフィット感を高めてくれるようなサービスを行っているメーカーはないだろうか?

あれこれ検索した結果、ミズノが各拠点店舗に「インソール工房」を設置しており、カスタマイズをしてくれるということが判明。ウォーキングシューズのフィッティングがメインだが、サルシューでもOKとのこと。そこで夕方、足が腫れた頃を見計らって淀屋橋の大阪店に行ってみた(インソール工房は予約が必要)。

新シューズはランサメントウェーブプロ2。本当はパワープレーヤー(笑)向けの新モデルが欲しかったのだが、あいにく在庫切れで、こちらにした。この靴は、26.5cmがジャストサイズ。担当のIさんという方が、靴選びからソール作成まですべて面倒を見てくれた。所要時間は約1時間。

まず、足圧測定器を使って、立位時に足のどこに体重がかかっているかを測定。運動学の教科書によると、体重は右と左で50%ずつ分散され、さらに片足では、踵に50%、母指球に25%、小指球に25%と三点で分散支持するとされている。当然、マイフットはきれいな足圧分布をするものと信じて疑わなかったのだが…あれ?



まず、右の方に体重が偏っている。ま、右利きだからこれくらいのアンバラスはあるかも。だが、肝心の三点支持が、ない!踵に体重がかかりすぎで、指に全然力がかかっていない(そもそも映ってない)。また、母指球と小指球の間に体重がかかっている(特に左)。

Iさんは首をかしげながら、「じゃ、ちょっと拝見」と13の足を手にとって、曲げたり伸ばしたり、ひねったりとあれこれ触診。「うーん、これは横アーチが落ちてますね。」

足には3つのアーチがある。内側にある縦アーチは、土踏まずを作っているのでよく知られている。外側の縦アーチはバランスを取るのに重要だ。そして横アーチは、靱帯や筋肉が中足骨(インステップキックのポイントになる、各指の甲側の骨)を横に、上に凸型につなぎ、着地時の衝撃を吸収する役割を担っている。この横アーチが落ちると、足の前部分がぺたっと横に広がった状態「開帳足」となり、中指や薬指の付け根が痛くなる。

そういえば、フォーマルな靴で立ち仕事をすると、ちょうどあの辺が痛くなることが多いなぁ。痛いから、無意識のうちに腰が引けて、体重が踵にかかり気味になるのか。踵にはふくらはぎや足裏の筋肉が付着していて、ここに圧力がかかりすぎるから、足裏やふくらはぎが痛くなるのか。踵への衝撃がじかに腰まで伝わるから、腰痛になりやすいのかと一人納得。

次に、靴を履いて店内を歩き、足の動きをチェックした後、片足立ちでバランスを崩しやすい方向を検査。13は左足で立ったときに外側へぶれやすいことが判明。

さて、インソールに細工をすると、圧力の分布パターンを正常に近い状態に戻し、動作をある程度改善できるとのこと。13の場合は、踵を厚く、横アーチの頂点部分を盛り上げ、外側を少し上げればよいだろうと結論し、カスタムソール作成へ。DSISソルボスパイクという市販ソールをベースに、各種のパッドをソールに接着し、目的に合わせて削っていく。20分くらいであらかた完成、シューズに入れて試し履き。

踵には3.5mmのパッドを追加してある。Iさんは「はっきりした変化は感じないかもしれませんよ」と話していたが、俺は違いのわかる男(笑)、ほんの少しだが、体重が前にかかりやすくなったように思う。また、横アーチの補強は明らかに利いていて、かなり心地よい。横方向への安定性も増しているようだ。土踏まずの部分にもパッドが追加され、内側縦アーチの補強も万全だ。

最後にソールをテープで補強して、完成。上は付属のソール(左足)で、下がカスタムインソール。接写しているので少し大きく見えるが、サイズ自体は同じだ。微妙に盛り上がっているところに、パッドが貼り付けてある。



カスタムインソールは、フィット感を高めるだけでなく、障害を予防することもできるかもしれない。しばらく使ってみて、インプレを報告しようと思う。また、足型をあれこれ診てもらうことで、自分の足の状態を知ることもできるだろう。非常に面白い企画だと思う。

料金だが、ベースのソールは1890円、加工賃は1260円(外反母趾対策等で前部も加工する場合には、+3150円)。安い。しかも、ある程度使った後に行う調整は無料とのことだ。すばらしい。ただし、持ち込みシューズの場合はさらに3150円かかる(つまり、今使っている靴で13と同様の加工をするなら、1890+1260+3150=6300円ということになる。新調ついでにインソールも作ってもらうのが安上がりだ)。もちろん、ミズノの職人技を現場で見て覚えてしまえば、自分であれこれ改造できるようになるだろう。古いソールを再利用すれば、実質無料か。うまくできるかどうかは別だが。

※追記(11/29) インソール一体型の靴は、そのままではカスタムインソールを入れられない。力業でうまくはがれてくれればよいのだが、内部構造がどうなっているか分からないので、下手するとそのままゴミ箱行きだな。人柱求む。

ミズノ大阪店インソール工房:
http://www.mizuno.co.jp/mizuno-osaka/fitting/index.html

1 件のコメント:

深川組 さんのコメント...

こんにちわ、FKです。

カスタムインソールですか!?
かなり興味津々なんですが。

確かに自分の足にどのように体重が乗っているのかなんて、分かりませんよね、自分では。

例えば、足首をすぐに捻挫してしまうとか、
少し走ると腰や膝が痛くなるとか、なんらかの影響が個々にあるのかもしれませんね。

一度皆で予約して、足圧測定器やってみたいですね。

もし、トレシューやサルシューの買い替え時期が来たら、こっそりミズノに行きます(笑)