土曜日, 11月 24, 2007

『「言語技術」が日本のサッカーを変える』

早速読了。

トラップ、パス、シュートといった基本的な技術は、初心者でも(大人でも)何度か蹴っているうちにそれなりに上達するが、実際にゲームをやらせてみると、周囲の動きに合わせられず、ミス連発。「今のはなんやねん?何がしたかったん?」と聞いてみると、「どこに動いたらよいのかわからない」「パスをもらっても次にどうしたらわからない」という答えが返ってくる。つまり、「これこれこういうプレーをしたい」という明確なビジョンがない。

そういうメンバーばかりでも、適当にパスを回していると偶然いい形になってゴールできることもあるが、こういう単調な、猿でもできるプレーで満足してもらっては、俺は非常に困るんだ(笑

また、このレベルのメンバーは、守備=ゴール前に集まること、と思っているフシがあるが、よく考えてみると、「これこれこういうシナリオに持って行くことで相手からボールを奪う」という意図がないという点では、攻撃の時と同じだ。これも、相手の攻めが稚拙なときは、なんとか守りきれることもあるが、ポジションチェンジ・サイドチェンジで振り回されるとあっさり崩壊する。

こういう状況をなんとかしたい、というのがこの本を取り寄せた動機だ。

「言語技術」とは、今自分が行ったプレーは、どういう意図を持って行われたかを論理的に説明する力のことを指す。ポイントは二点あって、「はっきりした意図を持ってプレーすること」と「他人にわかるよう、論理的に説明すること」。言語技術によって味方プレーヤーとのコミュニケーションを深め、連係プレーの質を高めよう、ということだ。

たとえば、13(仮に)のパスがインターセプトされ、相手ボールになってしまったとしよう。味方のミスについてはあまり突っ込まない、というのが社会人の常識だが、サッカーでは、同じミスを繰り返すのは許されない。ミスを踏み台としてプレーの質を高めていくためには、13の意図を知る必要がある。

何の考えもなく、適当にパスを回していただけなら、13は厳しく糾弾されるべきだろう。しかし、聞いてみると、こういう返事が返ってくる。

「俺がパスをもらう直前には、あのエリアはフリーなスペースになっていた。相手DFの注意が13に向けられている状況で、ダイレクトで逆サイドに素早く落としてFKを走らせれば、そのままゴール前までドルブルで進めたはず。だからパスを出した」

それに対して、FKにも意見はあり、他のプレーヤーにもやりたかったプレーがある。各プレーヤが意見を出し合うことによって、ミスを少なくし、かつ効果的に攻める作戦を理詰めで練り上げていくのが、言語技術でサッカーを変える、ということだろう。

本来は、問題となるプレーごとにその場で選手に説明させるのがよいのだろうが、レンタルコートでミニゲーム主体のフットサルでは、時間も限られているので、この方法はちょっと取り難い。動画をもとに、各自がコメントを投稿できるようなシステムを作っていこうと考えている。

本書によると、言語技術のトレーニングは、U6(6歳以下!)から行われているのだそうだ。また、S級指導者ライセンスでも、言語技術は必須のスキルだとのこと。もう、ただ漫然とボールを蹴るだけのサッカーは、終わった、のかな。

1 件のコメント:

深川組 さんのコメント...

こんにちは、FKです。

もうFKは、膝が痛くてどうにもなりません今日この頃、皆さんどうお過ごしでしょうか?

寒くなってきてますので、関節を故障しがちですし、僕のように無茶して後ろからタックルをされないように、皆さん気をつけて下さいね^^(フットサルではそんなシーン無いかも・・・)

さて、13が言う「言語技術」なんですが、難しいですね・・・

確かに、チーム内に試合経験の少ない、もしくはサッカー経験者では無いメンバーの人は、13も書いていますが、<守備=ゴール前に集まること、と思っているフシがあるがetc・・・
動画を見ているとそんなシーンが結構あります。
(中には、ただキーパーの視界の邪魔をしているだけに近いプレーも、チラほら・・・)
そういう場合は、ドリブルで抜かれても良いから、誰か一番ボールに近いプレーヤーが突っ込んであげないと、失点されるのを待つような状況になっちゃいます。

そういう事も未経験者には、説明してあげないと、経験者がいくら「突っ込め!!」と指示しても、言われた方は「ドリブルで抜かれるだけやん・・・」と勘違いしたまま、現状では、その日が終わってしまってますね。
(一応以前に似たような事を、FKはコメントに結構書いていますが・・・まぁ、皆は見てくれてないか・・・)
ですので、今後そういった事(経験者は当たり前かもしれませんが)の説明をしてあげる事が重要かもしれませんね。

あと、<ポイントは二点あって、「はっきりした意図を持ってプレーすること」と「他人にわかるよう、論理的に説明すること」。

一点目のはっきりとした意図を持ってプレーする事。これは、月例組でチームを組んだ時に一番分かると思いますが、メンバーは誰がどういう動きをするか大体分かります。
それは、OJ、SM、FKで何年も一緒に毎週蹴っていたからです。KGさんとは、大会に出たり毎週の練習で組んでいると大体分かってきました。ですので、例えば僕がサイドを上がると、自然と一つパスを挟んで流れてきます。そのボールの流れ方で、僕も中にセンタリングをダイレクトか、ワントラップを入れるか決めます。それは、SMの上がり方を見ているからです。(どちらが良い選択か見なくても大体感じで分かりますが・・・)

この感覚っていうのは、長年ボールを一緒に蹴っているだけで、誰がどう動くのかが分かるので、はっきりした意図を持ってプレーしています。ですが、言葉で作戦やパターンをあまり確認した事はありません。
そこらへんが、「他人にわかるよう、論理的に説明すること」が出来ていないのでは無いのでしょうか?

ですが、こういった形を言葉で確認し合えば、短いプレー期間で、長年一緒にやらなくても、あっという間に連携出来るのでしょうね^^

総評:ぼくら月例組が、長年やって連携出来るようになったプレーなんかを、未経験者も言語技術で確認し合って、出来るように目指して欲しいですね。
個人的には、「僕らが長年やってきたのはなんだったんだろう・・・」って落ち込むぐらい、連携させて月例組を驚かせて欲しいものです^^